2010年6月4日金曜日

カラヤン録音小史 - 04


1959年から1969年まで、カラヤンはウィーン・フィルを指揮し、DECCAに多くの録音を残しいている。

私が持っているものだけでも、

R・シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラかく語りき》 (1959/3)
ベートーヴェン:交響曲第7番 (1959/3)
ブラームス:交響曲第1番 (1959/3)
モーツァルト:交響曲第40番 (1959/3)
ハイドン:交響曲第104番『ロンドン』 (1959/3)
ヴェルディ:歌劇《アイーダ》 (1959/9)
チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》組曲 (1961/9)
ホルスト:組曲《惑星》 (1961/9)
プッチーニ:歌劇《トスカ》 (1962/9)
モーツァルト:交響曲第41番『ジュピター』 (1963/4)
ハイドン:交響曲第103番『太鼓連打』 (1963/4)
ビゼー:歌劇《カルメン》 (1963/11)
チャイコフスキー:バレエ《眠れる森の美女》組曲 (1965/3)
チャイコフスキー:バレエ《白鳥の湖》組曲 (1965/3)

以上のリストとなるが、そのどれもが素晴らしい出来だ。

DECCAの名プロデューサー、John Culshaw / ジョン・カルショーが率いる録音スタッフがSofiensaal / ゾフィエンザールという音響の優れた会場で、最先端の技術を駆使し、カラヤンとウィーン・フィルによる極上の演奏を見事に記録した。

音質は「さすがDECCA!」と言いたくなるほど優れていて、とても50年近くも昔の録音だとは思えない。

ビロードのように柔らかな肌触りのウィーン・フィルの音色がたまらない。



この時期カラヤンは既にベルリン・フィルの終身首席指揮者兼芸術総監督に就任していたのだから、ウィーン・フィルとの関係は “愛人関係” とでも言えるだろうか。

そういう視点(聴点?)で聴いてみると、ウィーン・フィルのサウンドが妙にふくよかで、肉感的なものに聴こえてくる。

特にプッチーニの《トスカ》、ビゼーの《カルメン》では。


プッチーニ / トスカ
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
レオンタイン・プライス(トスカ)
録音:1962年9月(DECCA)

ビゼー / カルメン
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
レオンタイン・プライス(カルメン)
録音:1963年11月(RCA)
※ RCAとの提携でDECCAのスタッフが録音。原盤権はRCAが保有。

ジョン・カルショーが率いる録音スタッフが手がけたオペラの録音はどれも素晴らしい出来で、音場の奥行きや広がりが醸し出す立体感はステレオ録音ならでは。

これこそカルショーの言う “Sonic Stage / ソニック・ステージ” だ。

カラヤン録音小史 - 序
カラヤン録音小史 - 01
カラヤン録音小史 - 02
カラヤン録音小史 - 03
カラヤン録音小史 - 05 ・・・ つづく
カラヤン録音小史 - 06
カラヤン録音小史 - 07
カラヤン録音小史 - 08
カラヤン録音小史 - 09
カラヤン録音小史 - 終

update 2010/06/04

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