2005年12月11日日曜日

シリーズ : ジャケット・デザイン / タイポグラフィー勝負


シカゴ 『シカゴと23の誓い』
ニール・ヤング 『ハーヴェスト』
セックス・ピストルズ 『勝手にしやがれ』

マイルス・デイビス 『バグス・グルーヴ』
キャノンボール・アダレイ 『サムシン・エルス』
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『チュニジアの夜』
ジャック・ディジョネット 『スペシャル・エディション』


タイポグラフィー [typography] とは、
(1) 活版による印刷術。
(2) デザインにおいて、活字の書体や、字配りなどの構成および表現。

つまり、いかに上手に文字を使ってデザインするか、ということだ。今回はイラストや写真を一切使用せず、文字が主人公のジャケットを選んでみた。ある意味、デザイナーの基本的な力量が一番問われるのが文字のデザイン処理方法なのだ。




シカゴ 『シカゴと23の誓い』
オブジェ化したタイトルとロゴ・マーク。それを撮影して使っている。
タイポグラフィーとしては、少し反則っぽい作品だが、今回は見逃すことにする。


ニール・ヤング 『ハーヴェスト』
中央の円形と筆記体系の文字とのバランスが絶妙。
レトロでカントリーな雰囲気が漂っている。ほのぼのするなぁ。


セックス・ピストルズ 『勝手にしやがれ』
ちょっとヘタウマ系の作品だが、その色使いは良し。
アルバムに詰め込まれた音より、ずっとお上品なデザインだ。


マイルス・デイビス 『バグス・グルーヴ』
黄色と白の文字を交互に配置しているシンプルな構造のように見えるが、文字の高さを微妙にずらすことで、全体が微かに揺れるような効果が生まれている。


キャノンボール・アダレイ 『サムシン・エルス』
う~ん、素晴らしいバランス感覚だ。全てを右下に上手くまとめている。ミュージシャンの姓名の開き方が絶妙で、ジャケットに静かな動きを生み出している。


アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『チュニジアの夜』
手描きの文字の微妙なアンバランス感がいい。暖色のオレンジ、寒色のブルー、中間色のパープルを上手く配置している。バックの薄いブラウンも含め、色の使い方がお見事。


ジャック・ディジョネット 『スペシャル・エディション』
ヨーロッパのレーベル、ECMのジャケットだけに上記3枚よりもすっきりとお上品。文字の間隔を広げたり狭くすることで、リズム感を演出している。

以上、ジャズのジャケット4作はタイポグラフィーの教科書みたいなものだと思う。さて、賢明なるデザイナー諸氏のご意見や、如何に?

update 2005/12

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