2007年3月30日金曜日

Carmen Linares / カルメン・リナーレス


Antología : La Mujer en el Cante
1996

若い頃、スペインに住んでいたことがある。

しかしながら、フラメンコについては詳しくない。

さて、カルメン・リナーレス。

フラメンコ素人さんでも、カルメン・リナーレスの歌を聴けば、多分のたうちまわるだろう。

その乾いた鋭さが、ぐっ、ぐぐぐ~っと胸の奥深くに突き刺さるのだ。

このアルバムでカルメン・リナーレスは、かつてのカンタオーラ(女性フラメンコ歌手)たちの持ち歌を自分流に解釈し、自由自在に歌いこなす。

フラメンコの歌には昔から歌われていたものに歌手たちが独自のアレンジを加えたものが多い。《誰かさんのブレリアス》とか《誰かさんのタンゴ》というように、それらは歌手たちの持ち歌みたいなものになる。

また《何処かのソレア》や《何処かのファンダンゴ》みたいに、ある土地で歌われ続けているものも多い。

そんなフラメンコの数々の名曲を歌い上げるカルメン・リナーレスは、まさに “La mujer en el cante” (歌の中の女)なのだ。

このアルバムにはビセンテ・アミーゴ、ファン&ぺぺ・アビチュエラ、トマティート、ミゲル・アンヘル・コルテスなど、名うてのギタリストが参加している。

カルメン・リナーレスの情熱的ではあるが、均整のとれた端整な歌(カンテ)、唸り、引き裂くようなギター(トーケ)、それらを後ろから支えるリズム感溢れる手拍子(パルマ)をたっぷり満喫すべし。

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