2004年8月20日金曜日

Charlie Haden / チャーリー・ヘイデン


Liberation Music Orchestra / リベレーション・ミュージック・オーケストラ
1969

カーラ・ブレイが名参謀役(?)として参加している。

だからこのコンセプト・アルバムは大ジョークでもあり、大シリアスでもある。

アルバム名からして「本気かよ~」と突っ込みたくなる。“解放音楽楽団” なのだ。ジャケットを見ると、大勢のミュージシャン達が大きく “解放音楽楽団” と記された幕の下に集合・団結していではないか。

曲名だって凄いのが目白押しだ。《Song of the United Front / 連合戦線の歌》、《Song for Che / チェ・ゲバラに捧げる歌》、《War Orphans / 戦争孤児》、いやはや聴く前から尻込みしそうな曲名だ。

さて中身の音楽の方だが、これはフリージャズの流れをくんだ集団即興演奏的なもので、色々な音が走り回りながらも最終的にはテーマへと収斂してゆく。このあたりのカーラ・ブレイのまとめ方はお見事だ。

このアルバムから聴き取れるのは60年代末のジャズの一つの典型であり、また怒れる若者達が社会に対して放つ音楽化されたメッセージだ。

キング牧師やボ ビー・ケネディーの暗殺、キューバの革命家、チェ・ゲバラの死、泥沼化するベトナム戦争等、混沌とした状況を音のカオスで見事に表現している。だからこのアルバムはびろ~ん・びろ~んと伸びる物憂げなチャーリー・へイデンのベースを堪能するものではない。

ここまで書くと何だか難しそうなアルバムみたいだが、とりあえずご一聴あれ。

案ずるより聴くが易しだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿