2004年8月20日金曜日

Chick Corea / チック・コリア


Return to Forever / リターン・トゥ・フォーエヴァー
1972

チックに小難しいスタイルは似合わない。

初期の名作『Now He Songs, Now He Sobs』もいいが、もっとミーハーな本作を選んだ理由はあまりジャズ・ジャズしていないところだ。

肩に力を入れずに聴けるが、かと言ってイージー・リス ニング風に堕落(?)していないところはチックの力量か。アコースティックとエレクトリックがバランス良く保たれている。

それにしても “Return to Forever / 永遠回帰” とは大げさなタイトルだ。

ジャケットのカモメは永遠へ向かって飛んでいるのだろうか。

本作の後、同じ路線でチックは『Light As A Feather』をリリースする。

どうしても二番煎じ的なイメージが強い。だが前作と比べても決して見劣りするものではなく、どちらかといえば2枚で一組 という印象がある。

またこのアルバムには《アランフェス協奏曲》をイントロに使ったチックの代名詞とも言える《Spain》や《Captain Marvel》なんかも収録されている。

ジャケットの羽根はカモメが落としていった羽根なのだろうか。

『Return to Forever』の成功で気を良くしたのか、チックはもう一人のあまりジャズ・ジャズしていない白人プレイヤー、ゲイリー・バートンとのコンビで 『Crystal Silence』という名作を残す。アルバム・タイトルになっているのは『Return to Forever』に収録されている名曲《Crystal Silence》からで、ここまでやると「チック君、おなじネタばかり使ってどうするんだい?」と言いたくなる。

なにはともあれ、この辺りのチックのアルバムはよく冷えたブルゴーニュ産の白ワインを飲みながら聴くといい。

その後、カモメは “第7銀河” 方面へ飛んでいった。

And More...


Now He Sings Now He Sobs / ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス


Light As A Feather / ライト・アズ・ア・フェザー


Crystal Silence / クリスタル・サイレンス

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