2004年8月20日金曜日

Brother Jack Mcduff / ブラザー・ジャック・マクダフ


Down Home Style / ダウン・ホーム・スタイル
1969

ブルーノートから出たアルバムだ。

しかし録音したのはルディ・バン・ゲルダーではないし、録音されたのはニュージャージーのハッケンサックやイングルウッド・クリフスでもなく、テネシーのメンフィスだ。

ブルーノートはオルガン・ジャズの開発者、ジミー・スミスを長年録音していた。

しかしジミーがブルーノートを離れてヴァーヴに移籍してから、その後釜にブルーノートは多くのオルガン・プレーヤーの録音を行う。

ジャック・マクダフもそんな中の一人だが、既にプレスティッジ等で多数のアルバムをリリースしていた。中でも『タフ・ダフ』やジョージ・ベンソンも参加している『ライブ!』などは抜群のノリだ。

しかし本作を選んだのは、アーシーなソウル度の高さから。なんせ録音場所はテネシー・メンフィスなのだ。普通のグルーヴで終わるはずがないではないか。

元来かなりのソウル度を内臓するジミー・スミスのオルガン・ジャズからハード・バップ的なジャズ要素を減らし、ダウン・トゥ・アースなソウル度を増すと、必然的にこんなアルバムが仕上がる。

このアルバムがリリースされた前年の1968年にはハービー・マンが『メンフィス・アンダーグラウンド』を大ヒットさせているだけに、この辺りを意識して制作されたのかもしれない。

アメリカのロード・ サイドにある安レストランで出てくる、脂っこい、とても美味しそうとは思えないステーキの写真がジャケットに使われていが、このギットリ感がこのアルバムのサウンドの特徴だ。

ブラックでソウルフルなオルガン・サウンドがテンコ盛りで、胃腸の弱い方にはオススメ出来ない。だがそんな方も、とにかく一曲目の《Vibrator》だけでも聴いてみよう。

但し胃腸薬の用意を忘れずに。

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