2004年9月20日月曜日

Stanley Turrentine / スタンリー・タレンタイン


Stanley Turrentine With The 3 Sounds /
スタンリー・タレンタイン・ウィズ・ザ・スリー・サウンズ
Blue Hour / ブルー・アワー
1960

知的で理屈っぽくなければ、バカ扱いされる。

メロディアスで美的でなければ、イモ扱いされる。

陰りが無くニュアンスが無ければ、鈍感扱いされる。

だからジャズの世界はとかく住みにくい?

スタンリー・タレンタインはバカ扱いされ、イモ扱いされ、鈍感扱いされるべきミュージシャンではない。まぁ、そんな無粋な方はいないと思うが、日本でのスタンリー・タレンタインの過小評価ぶりをみると、そう思わざるをえない。ひょっとすると、あまりにもオーソドックスな演奏スタイルが問題なのだろうか?

「モード、フリー・ジャズ? んなもん知ったこっちゃねえぜ。オレは思いっきりスイングさせながらソウルフルにブロウするか、時にはしっとりとブルーにブロウするだけさ。おぇ、ジャズってのはそんなモンじゃねえのかい? 何か文句あるなら言ってみな・・・」

いえ、文句はありません。

ソウルフルでブルーなテナーを吹かせたら、スタンリー・タレンタインの右に出るヤツはいない。まさに60年代のボス・テナーだ。

ハンク・モブレーのソウルっぽいプレーだって悪くはない。アルトだがルー・ドナルドソンだってソウルっぽい。しかしモブレーやドナルドソンにはタレンタインが醸し出す貫禄、つまり重量感が無い。

ではスタンリー・タレンタインのどれを聴くべきか?

今回はブルージーな『Blue Hour』を選んだ。ゆったりと広がるテナー・サックスのサウンドが素晴らしい。バックのザ・スリー・サウンズの演奏も抜群で、見事にしっとりとブルーだ。

ホレス・パーランと組んだ『Look Out』、レス・マッキャンと組んだ『That's Where It's At』なんかもソウルっぽくて、黒くていいぞ。

この3枚はいずれもスタンリー・タレンタイン&ピアノ・トリオという構成。タレンタインのテナーを満喫するにはワン・ホーンのカルテット構成が一番だ。

And More...


look out / ルック・アウト


That's Where It's At / ザッツ・ホエア・イッツ・アット


Sugar / シュガー

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