2004年9月10日金曜日

Miroslav Vitous / ミロスラフ・ヴィトウス


Infinite Search / 限りなき探究
1969

東欧の花、チェコのプラハに一度は行ってみたい。

パリが西欧の交差点みたいな所なら、プラハは東欧の交差点みたいな所だ。だから文化的にも、さぞ面白い所だろうと一人勝手に思っている。

そんな思い込みのある街からやってきたのがミロスラフ・ヴィトウス。だからかヴィトウスのことはかなり贔屓にしている。しかし贔屓目に見なくてもヴィトウスは本当に素晴らしいベース・プレーヤーなのだ。

まず一曲目の《Freedom Jazz Dance》を聴いただけで強烈なベースの連打にたじろぐ。それはまるで強烈なボディーブローの連打で、普通の人間なら1ラウンドでものの見事なKO負けであ る。

息を詰まらせ、リング上でのたうち回り、悶絶の表情でレフェリーの10カウントを聞くことになる。ひょっとするとカウント7あたりでレフェリーは試合をストップし、KO負けの宣言を食らうことになるかもしれない。

それほどヴィトウスのベースは凄いのだ。

こんなパンチを受けた後ならソニー・リストンのパンチなぞ蚊が刺した程度にしか感じないだろう。全曲を聴いた後は完全なパンチ・ドランカーに成り果て、ヴィトウスの軍門に下り、ファンになるしかないだろう。だが 全曲を一度に聴けるのは、余程鍛え抜かれた強靭な腹筋の持ち主だけだ。

このアルバムではもう一人凶暴なヤツがヴィトウスとつるんでいる。

それはジョン・マクラフリン。こいつが放つ殺気だったギター・サウンドは切れ味抜群のカミソリ・パンチだ。

ヤバくて素晴らしい出来だ。

And More...


First Meeting / ファースト・ミーティング


Emergence / エマージェンス


Super Nova / スーパー・ノヴァ

※ このウエイン・ショーターのアルバムでのヴィトウスのプレイも凄いぞ!

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