2009年10月29日木曜日

Sam Cooke / サム・クック


Ain't That Good News / エイント・ザット・グッド・ニュース
1963-1964

マウンドにはスリムなピッチャー。

しなるような右腕から快速球をテンポ良く投げ込む。

少し球が荒れることもあるが、制球力に大きな問題は無い。

球のスピードは140キロ前半程度だが、バッターの手前でグッと伸びる。

ストレートを中心とした配球だが、斜めに大きく曲がるスライダーや内角を鋭くえぐるシュートも得意としている。

力みのないフォームで投げるタイプで、ぐいぐいと力ずくで投げる “熱投・汗かき” タイプのピッチャーではい。



こんなピッチャー像が『Ain't That Good News / エイント・ザット・グッド・ニュース』を聴く度に頭に浮かび上がるSam Cooke / サム・クックのイメージだ。

ゴスペルに強い影響を受けながらも、洗練されたサム・クックの音楽は従来のソウル、R&Bのイメージとは異なり、あまり汗臭くない。

日本では特に南部系のソウル、R&Bの “汗臭さ”、例えばオーティス・レディングの “汗臭さ”=ソウル、R&B的なものとして定着しているような気がする。そんな訳でサム・クックは、特にこのアルバム、『Ain't That Good News』は過小評価されているのでは?と思うことが多い。楽しいナンバーが揃っているのに、もったいないなぁ。

だがPatti Page / パティ・ペイジが大ヒットさせた《Tennessee Waltz / テネシーワルツ》をノリノリで歌い上げるサム・クックを聴くと、凄く “熱くて強烈なボール” をサム・クックがちゃんと持っていたことが判る。好きですねぇ、このナンバー。

そして《Tennessee Waltz / テネシーワルツ》に続くのが、サム・クック一世一代の途方もない名曲、《A Change Is Gonna Come / ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム》だ。

《A Change Is Gonna Come / ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム》 について ≫ 聴く薬

この名曲はOtis Redding / オーティス・レディング ~ Aretha Franklin / アレサ・フランクリン ~ The Neville Brothers / ネヴィル・ブラザーズへと歌い継がれた。

そして今後も誰かが歌い継がなければならない曲だと思う。



サム・クック : 享年33歳。

合掌。

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