2009年10月20日火曜日

Haydn, Franz Joseph / フランツ・ヨーゼフ・ハイドン


Haydn, Franz Joseph 1732-1809

ハイドンは “交響曲の父”、“弦楽四重奏曲の父” と呼ばれている。

ハイドンは交響曲を108番まで、そして弦楽四重奏曲を83番まで残している。

次世代のモーツァルトやベートーヴェンと比べて長生きし、その生涯でとんでもない作品量を残しているのがハイドンだ。

ハイドンは溢れ出る新しいアイディアに従いながら毎日コツコツと作曲し、知らないうちに膨大な作品量を創り出した、腕の立つ緻密な職人のような音楽家だ。

哲学の命題、量は質に転化する・・・。そんな事を考えてしまうのがハイドンの作品量。

だから選ぶのはハイドンの代表的な交響曲、『熊』、『めんどり』をなど含むパリ交響曲集と『驚愕』、『軍隊』、『太鼓連打』、『ロンドン』などを含むロンドン交響曲集だけにしておこう。

作品番号順に聴き、作品のなだらかな変化を味わうのも一興。

有名的オラトリオ《天地創造》や弦楽四重奏曲群は又の機会に・・・。



さて、これらの作品群のお味だが、私にとってそれらは白身魚の極上の寿司なのだ。

キュッといい具合の固さで握られたシャリに、ピリッと効くわさびを少々。そこに淡白ながら、うっすらと脂ののった、コリッとした歯ごたえのある白身。

あきのこない味と歯ごたえだ。



Pariser Sinfonien Nos. 82~87 /
パリ交響曲集(パリ・セット) 第82番~第87番



Leonard Bernstein / レナード・バーンスタイン
New York Philharmonic / ニューヨーク・フィルハーモニック
rec. 1962,1966,1967

Londoner Sinfonien Nos. 93~104 /
ロンドン交響曲集(ロンドン・セット) 第93番~第104番


Leonard Bernstein / レナード・バーンスタイン
New York Philharmonic / ニューヨーク・フィルハーモニック
rec. 1958,1962,1970,1971,1973,1975,


Eugen Jochum / オイゲン・ヨッフム
London Philharmonic Orchestra / ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
rec. 1971-1973

今年はハイドン没後200年という事で、それほど人気があるとも思われないハイドンにしては沢山のCDが売り出されている。

アンタル・ドラティ&フィルハーモニア・フンガリカによる交響曲全集(怒涛の33枚組)の再発売などは記念年にしかお目にかかれない企画だ。

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのものはハイドン没後200年記念に宗教曲などと一緒にボックス化され、発売されたもの。

バーンスタインの場合、後年のウィーン・フィルとの録音の方が評価が高いようだが、どうしてどうして若かりし頃のニューヨーク・フィルとの録音も素晴らしい。60年代から70年代といえば、バーンスタイン&ニューヨーク・フィルの全盛期。歴史的な記録としても価値がある。

ハイドンを得意としていたバーンスタインだけに、パリ交響曲集、ロンドン交響曲集、いずれもお見事な出来。

バーンスタインといえば大きなジェスチャーで飛び跳ね、熱く燃えるような指揮というイメージが強いが、ここではエモーショナルな部分はほどよく抑制されている。しかしリズム感や勢いは十分に感じられる、ふくよかで元気なハイドンが楽しめる。

さてもう一組のロンドン交響曲集だが、これは我がご贔屓、オイゲン・ヨッフムがロンドン・フィルを指揮したもの。

私がまとめてロンドン交響曲集を聴いたのは数年前で、それからモーツァルトやベートーヴェンに疲れた時、オイゲン・ヨッフム&ロンドン・フィルによるロンドン交響曲集を“箸休め的”に聴くことが多い。

派手さは無いが、凛々しい名演奏。

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