2004年9月20日月曜日

Thelonious Monk / セロニアス・モンク


Monk's Music / モンクス・ミュージック
1957

古代エジプト時代の壁画を思い出して欲しい。

顔は横を向いていて、身体は正面を向いている、グラフィカルで不思議な絵だ。

古代エジプト人には写実的な絵を描く技術が無かったから、あんな絵しか描けなかったと考えられていた時期が長かった。

しかし第一次世界大戦前にウィーンの美術史家、Alois Riegl / アロイス・リーグルが “Kunstwollen / 芸術意欲” という概念を持ち出し、どんな作品もそれを創り出す芸術意欲によりスタイルは決定づけられると説いた。

セロニアス・モンクのピアノは独特だ。モンクは自分の曲を演奏するにはあの独特のスタイルが必要だったのだ。つまりあのパーカッシブで音を置くようなピアノ・スタイルはモンクの芸術意欲により生み出されたとも言える。上手い・下手や奇を衒った為のスタイルではない。

さて、そんなモンクのアルバムだが、作曲家として、また独自のピアノ・スタイルを完成させた彼の最盛期の1950年代後半から選ぶことにする。

そうなると『Monk's Music』か『Brilliant Corners』あたりになる。どちらを選んでもいいのだが、本作を選んだのは《Crepuscule With Nellie》(ネリーとの黄昏)が収録されているからだ。

病床の妻を思って作った小曲だが、いいんだな、これが。

赤い夕日に染められたニューヨークはウエスト・サイドの街並み。そこに漂う夕暮れ時のけだるく、そして切ない雰囲気が見事に描かれている。妻の病室の窓から見た眺めをモンクは曲にしたのだろうか?

And More...


Brilliant Corners / ブリリアント・コーナーズ


Misterioso / ミステリオーソ

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