2004年9月10日金曜日

Lee Morgan / リー・モーガン


The Cooker / ザ・クッカー
1957

18歳のトランペッターがフィラデルフィアからやって来た。

そしてこの若いトランペッターはあっと言う間にニューヨーク・ジャズシーンの中心に踊り出る。

リー・モーガンは1956年11月、ブルーノートで初めてレコーディングを行う。彼を気に入ったアルフレッド・ライオンは短期間の内に何度も録音を行う。

そしてアルバムが生まれた。1枚、2枚、3枚、4枚、5枚・・・。

リー・ モーガンの1枚になると、ワン・ホーンの魅力がたっぷり詰まった『Candy』か、それとも名曲《I Remember Clifford》が収録されている『Volume 3』か、またはジャズ・ロックの名盤として有名な『The Sidewinder』となるのが一般的だが、ここでは『The Cooker』を選んだ次第。

このアルバムを収録した時点でリー・モーガンは未だ19歳。トランペットの音には艶やかさと切れがあるし、ちょっと不良っぽい、吹きっぱなし風のプレイもいい。

リー・ モーガンはこの時点で既にブルーノートに4枚のアルバムを残していた。5作目にあたる本作『The Cooker』からリー・モーガンは朋友であり、音楽的助っ人、ベニー・ゴルソンから離れる。そして初めてオリジナル曲が登場するのもこのアルバムからで、単にトランペットを吹き鳴らすだけのミュージシャンから、それだけでも見事なものだが、作曲・編曲も出来る音楽家へと脱皮を図る。

このアルバムを特徴づけているのはペッパー・アダムス(バリトン・サックス)の参加だ。

バリバリ・ブリブリ低音を吹きまくるペッパー・アダムス。自由奔放に吹きまくるリー・モーガン。そして二人をバックから煽るのがボビー・ティモンズのピアノだ。う~ん、ハード・バップのノリがたっぷり詰まっているなぁ。

自分のオリジナル曲以外でも、ディジー・ガレスピーの名曲《A Night In Tunisia》、ビリー・ホリデイの名唱で名高い《Lover Man》など、スタンダード・ナンバーをリー・モーガンは素晴らしい包丁捌きで料理する。若き天才肌 “料理人” の腕前はお見事だ。

リー・モーガンは “あの時代” のジャズ・ミュージシャンだ。それに天才肌で伊達男。ドラックや女のトラブルとは無縁で生きることは出来なかった。

14歳年上の彼女との別れ話しがこじれ、ライブ会場でステージ間の休憩中にリー・モーガンはその彼女に射殺されてしまう。1972年の事だった。

合掌。

And More...


Lee Morgan Sextet / リー・モーガン Vol.2


Lee Morgan, Vol.3 / リー・モーガン Vol.3


Candy / キャンディ


The Sidewinder / ザ・サイドワインダー


The Rumproller / ザ・ランプローラー

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