Curtis Fuller / カーティス・フラー

Curtis Fuller Vol.3 / カーティス・フラー Vol.3
1957

管楽器の音色が好きだ。

サックスの「ぶふぉ～」という音やトランペットの「ぷふぁ～」という音が好きなのだ。

どちらが好きかと問われたら、乾いた感じがするトランペットの音の方が好きだと答えよう。

サックスも好きだが、どうもウエットでエモーショナルな部分が少し辛い時もある。しかしこういったサックスの特徴がソウル系の音にはどんぴしゃりとはまる。トランペットでソウル系の音はちょっとしんどいだろう。

そんな訳で、トランペットの同系列で、低音の魅力溢れるトロンボーンが嫌いなわけがない。

さて、トロンボーンといえば、やっぱりJ.J.ジョンソンでしょ、と言いたい貴方、それは十分理解しております。だが私の場合、J.J.のビ・バップ風猛烈 スピーディー演奏ではトロンボーンの美味しさが十分に味わえない。確かにトロンボーンをまるでトランペットのように自由自在に操るJ.J.は大したものだ が・・・

私はゆっくり演奏（？）タイプのカーティス・フラーの方が好きだ。そんなカーティスの作品の中では、フランシス・ウルフが撮影した、ギョロッと目を剥きながらトロンボーンを一心不乱に演奏する彼の写真を使った本作が好きだ。

キャッ チーでノリノリの一曲目、《Little Messenger》は後に参加するジャズ・メッセンジャーズへのカーティス流の挨拶か？　ラテンっぽい二曲目《Quantrale》も楽しい。全体に ゆったりペースの曲が多く、カーティスの円やかなトロンボーンをじっくり味わうにはもってこいのアルバムだ。

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