Badfinger / バッドフィンガー

The Best of Badfinger / ザ・ベスト・オブ・バッドフィンガー

バッドフィンガーは薄幸のバンドだった。

アップル・レコードからデビューした為、バッドフィンガーはどうしてもビートルズの弟分バンドと見られていた。だからその評価は不当に低くかった。そりゃ、どんなバンドでもビートルズと比較されると難儀だろう。それに当時はこの手のポップなバンドの評価は不思議なくらい不当に低かった。

しかし彼らのポップ・センスは素晴らしい。中心メンバーであるピート・ハムはメロディーメーカーとしても優秀で、多数のヒット曲を送り出した。だが本格的な成功には達せず、所属していたレーベルに契約を切られたり、マネージャーに裏切られたり、あまりの不運続きに絶望したピート・ハムは75年に自殺してしまう。そしてバンドは解散する。

その後トム・エヴァンスを中心に再結成されるが、結局人気は出ずにバンドは再解散。そしてトムも83年に自殺してしまう。

カラっとした脳天気な明るさが無く、ポップではあるが曇り空的な陰りのあるサウンドをもっていたバンドだけに、彼らに明るい結末はなかったのか？

そしてバッドフィンガーは忘れ去られた。

《Come and Get It》、《Baby Blue》、《No Matter What》、バッドフィンガーの作り出すちょっと切ないメロディーはたまらん。個人的には《Day after Day》が一番のお気に入りだ。色々とアルバムはあるが、とりあえずベスト盤を選ぼう。

今こそバッドフィンガーの持つ良質なポップ・センスを評価してやってほしい。

志半ばで死を選んでしまったピートとトムの供養のために。

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