2010年9月10日金曜日
20X0年・夏
地球の温暖化は容赦なく進み、その夏は200X年以来の記録的な猛暑となった。
ラ・ニーニャ現象から派生する新たな異常気象現象、ラ・チャバーラ現象により猛暑日が9月上旬まで続いた。
日本国民が果てしない猛暑に音を上げていた頃、中・高年の男性と若い女性の突然死が、特に暑さの厳しかった関西地方で、連続的に発生した。
前日まで元気に過ごしていた多くの中・高年の男性や若い女性が、通勤途中で突然倒れ、命を失った。死亡者には共通した病歴も無く、また何らウイルス系の感染なども確認されなかった。
原因解明に至らず、対策措置を立案することは不可能では?と案じれていた矢先に、財団別人・衣類人体影響測定センターから、死亡者の共通点、およびそこから派生する重大な影響の報告が厚生保険省に提出された。
亡くなった全ての中・高年の男性は、汗でズボンが太ももにぺったり張り付かないように、アンダーウェアとして「ステテコ」を着用していた。
そして若い女性に共通していたのはロングパンツを着用していたこと。猛暑にもかかわらず、ジーンズや脚にぴったりとしたパンツを着用していた。
大腿動脈のある太もも内側部分が「ステテコ」や厚い生地のロングパンツ、そして猛暑により高熱を持ち、加熱により血液が低温沸騰化した。その血液が体内を循環した結果、体温保全バランスが正常に機能せず、心肺機能にダメージを与え、突然死に至ったという内容の衝撃的な報告書だった。
ステテコ・ロングパンツ症候群
翌年の夏、政府と厚生保険省は、以前から実施されていたノーネクタイのクール・ビズを更に進化・深化させた、“ショートカット・ビズ” を打ち出した。
気温30度を超える暑い夏の間、男性は半ズボンで過ごそうといものだった。
太もも内側部分で血液が低温沸騰化した場合、膝下の露出を強化することにより、ふくらはぎ部分で循環する血液を冷却し、常温化させるのが狙いだ。
女性は涼しいスカート姿で通勤・勤務することができる。しかし男性は、因習的にも商習慣的にも、ロングパンツの着用を余儀なくさていた。この男性たちを猛暑がもたらす突然死から守る手立てとして “ショートカット・ビズ” が打ち出されたのだ。
半ズボンの奨励丈は膝上10cm
こうして半ズボンを着用したスクールボーイスタイルが夏のサラリーマンの定番となった。
その結果、半ズボンの売上だけではく、すね毛脱毛関連グッズや男性用エステサロンの売上が急増するという思わぬミニ経済効果も現れた。
また外回りの営業マンは得意先の担当者と文字どおり “膝を交えて” 話すことができるようになった。
余談になるが、内閣府大臣官房政府広報室が “ショートカット・ビズ” PR用のテレビCMやポスターに起用したモデルは、オーストラリアが誇る名ロックバンド、AC/DCのリードギタリストで半ズボン姿がトレードマークのAngus Young / アンガス・ヤングだった。
資料 ≫ 半ズボン姿のアンガス・ヤング
PR用のテレビCMやポスターのおかげでアンガス・ヤングは日本で大ブレイクし、一躍時の人となった。
その勢いを駆って、アンガス・ヤングは母国オーストラリアの厚生保険大臣に就任。
環境・国家遺産・芸術大臣に就任していたMidnight Oil の元ヴォーカリスト、Peter Garrett / ピーター・ギャレットに続いて、オーストラリアで二人目の “ロッカー大臣“ が誕生した。
こんな妄想みたいな事を考えてしまうほど、今年の夏は暑かった。
update 2010/09/10
※ 関連ページ ≫ 200X年・夏
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