2007年9月15日土曜日

《無伴奏チェロ組曲 / Suiten für Violoncello solo》 あれこれ


ジャズではリズムをの屋台骨を支えるベースが好きだ。

「ぼぼん、ぼんぼん、ぼ~~ん」と弾けるベースの音はたまらん。

つまり、私は低音が好きなのだ。



そんな訳で、クラシックでも低音を響かせるチェロが一番好きな楽器だ。

ヴァイオリンほどキリキリと響かないし、ヴァイオリンほど音がちょこまかと、あちこち動かないところもいい。

つまりヴァイオリンが急流のような河なら、チェロはゆったりと流れる大河のようだ。

さて、チェロといえば、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの《無伴奏チェロ組曲》。

音は螺旋状に上昇したり、下降したり、左右に膨張したり、縮小したり、変幻自在に姿や表情を変える。たった4本の弦だけでこれだけ豊饒で、味わい深く、構築的な音楽世界が生み出されるとは。いやはやバッハとは凄い作曲家だ。

《無伴奏チェロ組曲》といえば、その真価を見出したパブロ・カザルスの演奏が有名だが、これはちょっと録音が古すぎて、あまり楽しめない。

私が好きなのは、


Janos Starker / ヤーノシュ・シュタルケル(ハンガリー産のチェロ奏者)
※ シュタルケルは頑固一徹のチェロおやじ。
その精密にして正確な演奏は、力強く、まるで機甲軍団を率いる将軍のようだ。


Anner Bylsma / アンナー・ビルスマ(オランダ産のチェロ奏者)
※ 古楽器特有の少し乾いた素朴な音がいい。
音楽は華麗に流れないが、まるで語りかけられるようだ。


Paul Tortelier / ポール・トルトゥリエ(フランス産のチェロ奏者)
※ 「えいや~っ」と勢いで弾いてしまうところが素晴らしい。
コクのある艶やかな音が唸り、勢いよく流れ、溢れる。

この世に生を受けたからには、一度はバッハの『無伴奏チェロ組曲』を聴くべし。

update 2007/09

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