2004年10月10日日曜日
Pergolesi, Giovanni Battista / ジョバンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
Pergolesi, Giovanni Battista 1710-1736
Stabat Mater / スターバト・マーテル
Ettore Gracis / エットーレ・グラチス
Solisti dell'orchestra Scarlatti Napoli / ナポリ・スカルラッティ管弦楽団
Mirella Freni / ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
Teresa Berganza / テレサ・ベルガンサ(アルト)
rec. 1972
スタバト・マーテル(Stabat Mater、「悲しみの聖母」「聖母哀傷」)は13世紀に生まれたカトリック教会の聖歌の一で、十字架上のキリストを仰ぐ聖母マリアの哀しみを表現したもの。
同時代のスカラッティなど、多くの作曲家が同名の曲を作曲しているが、26歳で死んでしまったペルゴレージのものを選んだ。
悲痛な雰囲気の中に尊厳に満ちた女性への賛美を織り込んだイタリア・ナポリ出身の作曲家の最高作にして遺作だ。
オペラのアリアのような美しい旋律から始まり、そこに絡み合う二重唱。悲嘆にくれる聖母マリアの心情が螺旋階段のように天上に登りつめる。
グラチス盤を選んだのはミレッラ・フレーニ(ソプラノ)とテレサ・ベルガンサ(アルト)が素晴らしいから。
Stabat mater dolorosa
iuxta Crucem lacrimosa,
dum pendebat Filius.
悲しみの母は立っていた
十字架の傍らに、涙にくれ
御子が架けられているその間
Cuius animam gementem,
contristatam et dolentem
pertransivit gladius.
呻き、悲しみ
歎くその魂を
剣が貫いた
O quam tristis et afflicta
fuit illa benedicta,
mater Unigeniti!
ああ、なんと悲しく、打ちのめされたことか
あれほどまでに祝福された
神のひとり子の母が
Quae maerebat et dolebat,
pia Mater, dum videbat
nati poenas inclyti.
そして歎き、悲しんでいた
慈悲深い御母は、その子が
罰(苦しみ)を受けるのを目にしながら
Quis est homo qui non fleret,
matrem Christi si videret
in tanto supplicio?
涙をこぼさないものがあるだろうか
キリストの母が、これほどまでの
責め苦の中にあるのを見て
Quis est homo qui non fleret,
matrem Christi si videret
in tanto supplicio?
悲しみを抱かないものがあるだろうか
キリストの母が御子とともに
歎いているのを見つめて
Pro peccatis suae gentis
vidit Iesum in tormentis,
et flagellis subditum.
その民の罪のために
イエスが拷問を受け
鞭打たれるのを(御母は)見た
Vidit suum dulcem Natum
moriendo desolatum,
dum emisit spiritum.
愛しい御子が
打ち捨てられて孤独に死に
魂へ帰っていくのを見た
Eia, Mater, fons amoris
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
さあ、御母よ、愛の泉よ
私にもあなたの強い悲しみを感じさせ
あなたと共に悲しませてください
Fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum
ut sibi complaceam.
私の心を燃やしてください
神なるキリストへの愛で、
その御心にかなうように
Sancta Mater, istud agas,
crucifixi fige plagas
cordi meo valide.
聖なる母よ、どうかお願いします
十字架に架けられた(御子の)傷を
私の心に深く刻みつけてください
Tui Nati vulnerati,
tam dignati pro me pati,
poenas mecum divide.
あなたの子が傷つけられ
ありがたくも私のために苦しんでくださった
その罰(苦しみ)を私に分けてください
Fac me tecum pie flere,
crucifixo condolere,
donec ego vixero.
あなたと共にまことに涙を流し
十字架の苦しみを感じさせてください、
私の生のある限り
Iuxta Crucem tecum stare,
et me tibi sociare
in planctu desidero.
十字架の傍らにあなたと共に立ち
そして打ちのめされる苦しみを
あなたとともにすることを私は願います
Virgo virginum praeclara,
mihi iam non sis amara,
fac me tecum plangere.
いと清き乙女のなかの乙女よ
どうか私を退けずに
あなたとともに歎かせてください
Fac, ut portem Christi mortem,
passionis fac consortem,
et plagas recolere.
どうかキリストの死を私に負わせ、
どうかその受難を共にさせ、
そしてその傷に思いを馳せさせてください
Fac me plagis vulnerari,
fac me Cruce inebriari,
et cruore Filii.
どうかその傷を私に負わせてください
どうか私に十字架を深く味わわせてください
そして御子の血を
Flammis ne urar succensus,
per te, Virgo, sim defensus
in die iudicii.
怒りの火に燃やされることなきよう
あなたによって、乙女よ、守られますように
裁きの日には
Christe, cum sit hinc exire,
da per Matrem me venire
ad palmam victoriae.
キリストよ、私がこの世を去る時には
御母によって私を勝利の栄誉へ
至らしめてください
Quando corpus morietur,
fac, ut animae donetur
paradisi gloria. Amen.
肉体が滅びる時には
どうか魂に、栄光の天国を
与えてください。アーメン
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音楽
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