2001年12月15日土曜日

何をいまさら / ストリート・ファイティング・マン


冬がやってきた。

夕食に鍋料理が登場する日々が増える。

主婦の立場から考えると、鍋料理はそれほど手間がかからないので、夕食の作り手としては重宝な料理だろう。

野菜を刻んで、ダシを用意するとほとんど出来あがりの楽チン料理だ。だからといって手抜きだと非難しているわけではない。鍋料理は嫌いではないが、特に好きでもない。あれば食べるが、自分から進んで食べたいとは思わないだけだ。

どこが好きになれないかというと、、、

1) まず熱いこと。 猫舌の私には向いていない。いざとなれば熱いものでも平気でむさぼり食うが、基本的には熱いものは苦手だ。

2) 味があっさりしていること。 こってり系の味が好きな私には野菜が多く、白菜やねぎ、えのきや豆腐ばかりを食べることになる鍋料理は向いていない。だから好きなのはすき焼きとしゃぶしゃぶだけだ。

3) 箸の使い方が下手なこと。 鍋料理の場合、鍋は当然食卓の中心に位置する。そこからダシに濡れたにゅるにゅるの野菜や豆腐を下手な箸使いで手元の皿まで上手に運ぶのは難しい。

4) 家族団欒で食べること。 色々な事情で、子供の頃に両親や兄弟と鍋を囲んでわいわい・がやがやと楽しい食事をした記憶が無い。だから冬になれば皆でたのしい鍋料理、という発想が持てない。



冬が訪れるとそんな事を再確認してしまう。

何をいまさら、と思いつつ、毎年、毎冬再確認してしまう。



そりゃそうだ



久しぶりに聞いたローリング・ストーンズ。

やるじゃないか! カッコいいじゃないか!

何をいまさら、と言われるとそれでジ・エンドだが、本当にストーンズはいい。

と言っても、私の場合、ストーンズはブライアン・ジョーンズが脱退した時点で終っている。

だから名盤の誉れ高い『レット・イット・ブリード』は一応認める としても、自己レーベル第1作目の『スティッキー・フィンガーズ』なんかはオマケみたいなもの。正調ストーンズは69年の『ベガーズ・バンケット』までだ。

ミック・ジャガーとキース・リチャーズから少し距離を置いて、いぶし銀のように輝くブライアンの才能。ブルース系ロックン・ロール・バンドのシンプルな音に奥行きを与えたのはブライアンのセンスだと思う。

『ベガーズ・バンケット』B面最初の曲(LPレコードの場合だが)、《ジャンピング・ジャック・フラッユ》の兄弟分みたいな《Street Fighting Man / ストリート・ファイティング・マン》が好きだ。

赤錆だらけのざらついたサウンドのギター・リフから始まり、ドラムは場末の地下室のドアを蹴飛ばしたような低く、くすんで潰れた音。そこに所々シタールのサウンドが重なる。

「オレに出来るのはロックン・ロール・バンドで歌うだけ」 ミックのねっとりとしたヴォーカルが絡み付いた、がさつで安っぽいが深みのある音の破片が耳垢を削り落としながら鼓膜に突き刺さる。

そんなカッコいい曲がたっぷり詰まったブライアン・ジョーンズ&ザ・ローリング・ストーンズの『ベガーズ・バンケット』。

ところで、“ベガーズ・バンケット / 乞食の宴会” でも鍋料理は出るのだろうか?


Rolling Stones, the / ザ・ローリング・ストーンズ
Beggars Banquet / ベガーズ・バンケット

update 2001/12

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