2001年8月25日土曜日
宝くじが当たった男 / イッツ・マイ・オウン・フォルト
貧乏人の希望。
私は宝くじのことをそう呼んでいる。
金持ちには宝くじなんか必要ないだろう。
3億円程度の金だが、貧乏人、いや失礼、普通の人を狂わすには十分な金額だ。一夜にしてそんな額を手にすると、大体の人は経済感覚が狂うし、取り巻き連中からは羨望の目で見られ、嫉妬の炎で真っ黒焦げにされる。
そんな事になると難儀だから私は宝くじなんか買わない。だから当たらない。
もし3億円、それも無税、が突然手元に転がり込んできたらどう対処するかは一般庶民にとっては重大な問題だ。
貯金するか家のローンに当てるか、または急性アルコール中毒になるまで飲み続けるか、はたまた株式や怪しい金融商品に投資するか?
私の場合、使い方はもう決まっている。
まず200万円は私の小遣いとして使い、嫁さんには同額の200万円を小遣いとしてプレゼントする。私は好きなCDや本を買ったり、世話になった人と飲みに行く。嫁さんは海外旅行にでも行くだろう。
そして防音装置完備の地下室付きの家を建てる。土地と建物とオーディオ関係で約1億円程度の出費。
地下室は書斎兼オーディオ・ルームとして使用する。スピーカーはQUADかB&W、またはROGERSあたり。アンプもQUADでいいだろう。レコード・プ レイヤー、CDプレイヤーは絶対にLINN。これで何時でも大きな音で、ドッカ~ンとロックでもジャズでも何でも聴ける。
しかしどのパーツもイギリス製ばかりだなぁ~。
残った1億9千600万円は均等に割って母校にでも寄付する。
ポイントは短期間に全額使ってしまう事だ。
ダラダラ未練がましく、いつまでも金を持っているのが一番いけない。そうこうしている間に金の魔力に取りつかれ、 守銭奴になり人間不信に陥り、疑心暗鬼スパイラルに吸い込まれて二度と浮上出来なくなる。会う人、見る人、すれ違う人、皆が自分の金を狙っているのでは ・・・。
そこ行くお嬢さんも ・・・。
おはよう、かわいい女生徒ちゃん
《Good morning little school girl 》を歌うジョニー・ウインターは宝くじが当たった男だ。
テキサスでブルース・ギターを弾いていた男に突然チャンスが訪れた。
1969年、CBSレコードに100万ドル(当時のレートで換算すると約3億6千万円)でスカウトされたのだ。
当時はブルース・ロック全盛の時代で、ジョニーはCBSレコードにスター候補生として迎えられた訳だ。レコード会社としては黒人スター・ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの対抗馬として、白人スター・ギタリストが欲しかったのだろう。
そのジミも70年に他界し、ブルース・ロックにも衰退の兆しが見え始めた頃からジョニーも少しづつ狂い始めた。
山積みされた現ナマの魅力とショー・ビジネス独特のシステムに翻弄され、自分の音楽を見失い、精神に破綻をきたしたジョニー。
ジョニーがハードなロックン・ロールを執拗に演奏しているアルバム、『ライブ / ジョニー・ウィンター・アンド』に収録されているオーソドックスなブルースナンバー、《It's my own fault / イッツ・マイ・オウン・フォルト》を聴くと少しホッとする。ジョニーも本当はこんなナンバーを演奏していたかったのだろう。
テキサスあたりで黙々とブルースを演奏していた方が良かったのか ・・・。
宝くじは当たった途端、人生の貧乏くじになる場合もある。
Johnny Winter And / ジョニー・ウインター・アンド
Live Johnny Winter And / ライブ ジョニー・ウインター・アンド
update 2001/08
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