2004年7月20日火曜日
Van Morrison / ヴァン・モリソン
Moondance / ムーンダンス
1970
ヴァン・モリソンは大西洋を渡った。
北アイルランドでブルース・ロック・バンドのゼムを結成し、ヒットにも恵まれたが、ヴァン・モリソンはロックの向こう側にある、もっとアメリカ的なものを探しに海を渡った。
それは自分の音楽スタイルを意図的に確立するためのものではなく、もっと自分を解き放つ為に必要だったのだろう。
そしてヴァン・モリソンは 『Astral Weeks / アストラル・ウィークス』(1968年)、『Moondance / ムーンダンス』(1970年)、『His Band & Street Choir / ヒズ・バンド・アンド・ストリート・クワイア』(1970年)、『Tupelo Honey / テュペロ・ハニー』(1971年)と名作を連発する。
これらのアルバムの底に流れているのはジャズであったり、アーシーなソウルやゴスペルであったり、とてもアメリカ的なものだ。
精神はロックであるが、身体はジャズ、ソウルというヴァン・モリソンが創り上げたスタイルは80年代以降にスティングなどに影響を与えた。
アーシーでソウルフルに歌い上げる《And It Stoned Me》、前作の流れを汲むジャージーなタイトル曲《Moondance》、そしてゴスペル風味溢れるバラード《Crazy Love》などなど。
これら最初の3曲を聴いただけでもヴァン・モリソンの一番絞り声をたっぷり堪能できる。
脂が乗り切っていた時代の、全くもって見事な出来のアルバムだ。
And More...
Astral Weeks / アストラル・ウィークス
His Band & Street Choir / ヒズ・バンド・アンド・ストリート・クワイア
Tupelo Honey / テュペロ・ハニー
ラベル:
音楽
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