2004年9月20日月曜日

Togashi Masahiko / 富樫雅彦


Spiritual Nature / スピリチュアル・ネイチャー
1975

フジヤマ・ゲイシャ・サムライ。

これがかつて外国が日本に対して抱いていたイメージだ。

現在でもそこからあまり変化は無いだろうが、ある国に対して抱くイメージはそう簡単には変わらない。

では、日本人はそんなイメージに反発するべきなのか、迎合するべきなのか?それとも無視してしまうべきなのか?

『Spiritual Nature』はポスト・フリーという言葉を思い出させる、“あの時代” のアルバムだ。そこに広がる独特の間、音色、メロディー等、日本の自然から流れ出るような音の響きは確かに素晴らしく、日本人ならではのものだ。しかし今聴いてみると、あまりも日本的なものにこだわりすぎて、少しこじんまりした感じもする。つまり演奏者があまりにも日本のイメージを意識しすぎているのではないだろうか?

下半身不随の天才パーカッショニスト、富樫雅彦が描き出す世界は箱庭的世界すぎて、美しいが逆に窮屈さも感じてしまう。

辛口コメントになってしまったが、それでも『Spiritual Nature』を選んだのは、この作品を軽く凌駕するような国産ジャズが残念ながら少ないからだ。

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