2004年9月20日月曜日

Paul Motian / ポール・モチアン


Conception Vessel / コンセプション・ヴェッセル
1973

ポール・モチアンはピアニスト受けするドラマーなのだろうか。

50年代から60年代にかけてビル・エヴァンスの伝説的なトリオに参加していた。

そして60年代後半からはキース・ジャレットとトリオ、カルテットを組むことになる。

キースも2曲に参加しているこのアルバム『Conception Vessel』はキースの実験的作品『Ruta & Daitya』(1971)と繋がっている。タイトル曲《Conception Vessel》でのピアノの音の配置の仕方や《American Indian: Song of Sitting Bull》での民族音楽的なアプローチは『Ruta & Daitya』でも聴き取ることが出来る。

『Conception Vessel』の構成はサウンド・コラージュ的なもので、ポスト・フリー系の “音響ジャズ” とでもいうべきスタイルだ。縦糸のモチアンと横糸である他のメンバーが織りなす民族音楽的タペストリーはリリカルで素晴らしい。

ドラマーでパーカッショニストだけに音の響きに対する感覚も抜群で、上質の絹で作られた衣服みたいに肌触り / 音触りがいい。

そういえばビル・エヴァンスがポール・モチアンやスコット・ラファロと作り出した音楽も3人の楽器によるメロディーとリズムをコラージュ的に構成したものだった。

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