2004年9月20日月曜日

Paul Chambers / ポール・チェンバース


Bass On Top / ベース・オン・トップ
1957

才能は働いてこそ生かされる。

ポール・チェンバースは働き者だった。

ポール・チェンバースはいたるところでベースを弾いていた。

50年代半ばから60年代にかけて、その働きぶりは独占禁止法違反で検挙されてもおかしくない程のものだ。

55年から約8年間はマイルス・デイヴィスのバンドに参加、その合い間にはブルーノート、プレスティッジ等でハウス・べーシスト的な役割を果たし、数え切れな いほどのセッションに参加していた。

つまりチェンバースはその時代の殆どの有名ジャズ・ミュージシャンと競演している訳で、これだけの売れっ子ミュージ シャンは今後も表れないだろう。

さて、このアルバム『Bass On Top』はブルーノートでの第三作目にあたる。

一作目は基本的にはシクステット、二作目はクインテット、そしてここではカルテットという構成だ。徐々にメンバー数を減らし、満を喫してベース色を強く打ち出す勝負に出たアルバムがこれだ。しかしいくら自信作でも“頂点のベース”というストレートなタイトルは凄い。

まずは強烈なアルコ奏法で度肝を抜かれる《Yesterdays》から始まり、有名的スタンダード・ナンバー《You'd Be So Nice To Come Home To》へと続くのだが、もうこれだけでもジャズ・ベースの醍醐味が満喫できる。

普通ベースは主役になりにくいものだし、あまりでしゃばられても困るが、ここではその辺りのバランス感覚も抜群。よく歌う太くて逞しいベース・サウンドがたまらん。

それと管楽器が無く、相方が同じデトロイトからやって きたブルージーなギタリスト、ケニー・バレルというマッチングもいいなぁ。

腹筋がプルプル震えるようなポール・チェンバースのベースを味わうべし。

モダン・ジャズの屋台骨を支え続けた男のプライドを聴くべし。

And More...


Groovy / グルーヴィー

※ このレッド・ガーランドのアルバムでのもチェンバースのベースが堪能出来る。

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