2004年9月10日金曜日

Kenny Wheeler / ケニー・ホイーラー


Gnu High / ヌー・ハイ
1975

秋が訪れ、山々は美しい紅葉に包まれる。

そんな時に山の上を飛びながらこのアルバムを聴きたいなぁ。鳥になって山の上をゆっくりと飛びながらこのアルバムを聴きたいなぁ。

一曲目の《Heyoke》からケニー・ホイーラーが吹くフリューゲルホーンの優しくも美しいサウンドがぶわっ~と広がる。それは中間色のニュアンスに富んだ味わい深い音色だ。まるで柔らかな肌触りのビロードでくるまれたように気持ちいい。

これはカナダ生まれでイギリスで活躍していたケニー・ホイーラーの愛すべき一品だ。

ホイーラーをバックで支えるのはキース・ジャレット、デイヴ・ホランド、 ジャック・デジョネットというなんとも贅沢なトリオ。キースのピアノタッチはあくまでも耽美的だし、デイヴのベースとジャックのドラムも控えめながらも締めるところはきっちり締める。ECMが制作しただけに洒落た仕上がりだ。

ジャズのイディオムがど~のこ~のと難しいことを言う必要はない。新主流派風のリラックスしたサウンドにひたすら埋没すればいい。

ケニー・ホイーラーが描き出す秋色いっぱいの世界を満喫するのだ。

※ “Gnu / ヌー” とはアフリカ産カモシカの一種らしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿