2004年9月20日月曜日

Tony Williams / トニー・ウィリアムス


Emergency ! / エマージェンシー !
1969

怪我の功名か?

それとも確信犯的行動か?

アルバム・タイトルが『Emergency !』というぐらいだから、急いで録音したとしても、この音の状態はなんだ!しかしこの音の悪さが全編にムンムンと漂っている殺気のようなものを増幅している。それともこのただならぬ殺気が音に影響を及ぼしたのか?

それとも聴き手をビビらせる為に、わざと録音の質のを落とし、ザラついた鬼気迫るような雰囲気を演出したのだろうか? う~ん、判らん。

これは凄くて、怖いアルバムなのだ。

トニー・ウィリアムスはマイルス・デイヴィス・クインテッド脱退後に自分のバンド、ライフタイムを結成する。『Emergency !』はそのファースト・アルバムだ。メンバーはトニー・ウィリアムス(ds)、ジョン・マクラフリン(g)、それにラリー・ヤング(org)の三人。

しかしこの三人、何かに憑依されたのか、とんでもない演奏をしている。守備という考えがまったく無いのか、全員が攻撃一辺倒の演奏で、ジャズとロックのへヴィーなところだけを抽出したようなスタイルは凄まじい。それでも満足出来ないのか、トニーはついでに歌まで歌っている始末だ。

当時まだ 23歳だったトニーは自分と同世代のロック・ミュージシャンたちが創り出す刺激的なサウンドの影響をモロに受けていたのだろう。自分も急いで何かを創り出 さねば。そんな切羽詰った気持ちが『Emergency !』というタイトルとそこに収録された音に詰まっている。

ハード・ロック化されたジャズの名盤とでも言うべきか。

And More...


Four & More / フォア&モア

※ このマイルス・デイヴィスのアルバムでのトニーのドラムは凄いの一言! 聴くべし!

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