2004年9月20日月曜日

Sonny Rollins / ソニー・ロリンズ


Newk's Time / ニュークス・タイム
1957

ソニー・ロリンズのサックスはお喋りだ。

饒舌とでも形容したくなるサックス・プレーがロリンズの売りなのだ。

同時代のジョン・コルトレーンのサックスも饒舌だが、コルトレーンの場合はお喋りというより、それはむしろ演説であり、扇動のようだ。

さてロリンズの場合、マイルスやコルトレーンと一緒で作品が山ほどある。ただマイルスやコルトレーンと違うのは決定的な1作(または数作)が無いことだ。

何をおっしゃるウサギさん、ロリンズには有名的超名盤『Saxophone Colossus』があるではないか!というお叱りの声が聴こえてきそうだ。しかしちょっと違うんだなぁ。確かに『サキ・コロ』も名盤だが、マイルスやコルトレーンの決定的な1作とは重みがちょっと違うんだなぁ。

そんな事を考えていたら、フィリー・ジョー・ジョーンズとデュオで奏でる豪快な《The Surrey with The Fringe on Top》が頭の中で鳴り響きだした。これはお喋りサックスが炸裂する名演奏で、緩急自在、歌心満載、まさにロリンズの面目躍如的一曲なのだ。だからこの曲が収録されている『Newk's Time』を選んだ。

「男性的なテナー・サックスを聴きたければソニー・ロリンズを聴けばいい」とブルーノートの大将、アルフレッド・ライオンは言っているが、私にとってのロリンズはお喋りな近所のオッサンというところだ。私が住んでる大阪にはこの手の喋り出したら止まらんオッサンやオバハンが多い。

近所のオッサンだけに、ロリンズのサックスは肩が張らず、ユーモラス。そんなところが好きだ。

これは堅物コルトレーンには絶対出せない味だ。

And More...


Night at the Village Vanguard / ヴィレッジ・ヴァンガードの夜


Saxophone Colossus / サキソフォン・コロッサス

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