2004年9月10日金曜日

Keith Jarrett / キース・ジャレット


Death And The Flower / 生と死の幻想
1974

キースは本来ロマン派メロディ系の人なのだ。

だから時に彼の内部に潜んでいる “メロディ暴走細胞” が活性化する。

この暴走細胞を抑止するために、キースはジャズやゴスペル、民族音楽などのリズミックな要素が必要なのだ。

この辺りはまた別の機会に書くとして、個人的にはメロディ暴走細胞を上手く押さえ込んだアメリカン・カルテット時代の作品が好きだ。

インパルス・レーベルからリリースされた『Fort Yawuh / フォート ヤウー』、『宝島 / Treasure Island』、『Death and the Flower / 生と死の幻想』あたりが好きなのだが、この中で一枚を選ぶとなると本作となる。

呪術的なタイトル曲《Death and the Flower》はキースのフルート、民族音楽的な響きをもつギレルミ・フランコのパーカッション、そしてチャーリー・へイデンのどろ~ん・どろ~んと響き渡るプリミティブな打楽器のようなベースから始まる。これは見知らぬ土地で行われる、秘密の復活儀式で奏でられる宗教音楽なのだろうか?まるで何かを別世界から呼び起こすような音楽だ。

ベースとパーカッションの粗野でプリミティブな響き、デューイ・レッドマンのある意味で場違いのような ジャズらしい唸るサックス、この二つがいい意味でキースのメロディ暴走細胞とそこから生まれる過度の耽美的ロマンティシズムを抑止し、《Death and the Flower》をバランスのとれたものにしている。

And More...


Facing You / フェイシング・ユー


The Koln Concert / ケルン・コンサート


Fort Yawuh / フォート・ヤウー


The Survivor's Suite / 残氓


My Song / マイ・ソング


Standards, Vol. 1 / スタンダーズ Vol.1

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