2004年5月10日月曜日

Chase / チェイス


Chase / 追跡
1971

CBSレコードがブラッド・スウェット&ティアーズ、シカゴに続いて強烈にプッシュしていたブラス・ロック・バンドがこのチェイスだ。

つまりCBSレコードはブラッド・スウェット&ティアーズとシカゴの成功に気を良くし、“二匹目のどじょう” どころではなく、“三匹目のどじょう” を狙ったわけだ。

リーダーであり、トランペッターであるビル・チェイスはウディー・ハーマンやメナード・ファーガソン、スタン・ケントンたちのジャズ・ビッグ・バンドで活動していた。

従来のブラス・ロック・バンドとは編成が異なり、チェイスでは管楽器は全てトランペット(4本)という一風変わった構成だ。だからチェイスのサウンドはブラッド・スウェット&ティアーズやシカゴよりドライでメリハリが利いていた。このデビュー・アルバムに収録されている《黒い炎 / Get It On》は強烈な一発で、かなりヒットした。

ちなみにこのファーストアルバム『Chase』は1971年の全米年間ヒットチャート1位を獲得するほど売れた。“三匹目のどじょう” 作戦は一応成功を収めたわけだ。

しかし2作目『Ennea』発表後、売れ過ぎたためか、忙しさに嫌気がさしたメンバーが相次いで退団し、バンドはあえなく解散の憂き目を見ることになる。

それでもビル・チェイスはめげず、再度バンドを結成し、3作目の『Pure Music』をリリースし、ライブ活動を開始する。しかし1974年8月9日、ツアー中の飛行機事故でビルとメンバー3人が死亡。バンドは消滅した。

合掌。

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