2009年11月14日土曜日

Stevie Wonder / スティーヴィー・ワンダー


Talking Book / トーキング・ブック
1972

「時代の寵児」、「飛ぶ鳥を落とす勢い」、「肩で風を切る」など。

1970年代前半は、まさにStevie Wonder / スティーヴィー・ワンダーの時代だった。

『Talking Book / トーキング・ブック』をリリースした1972年から、『Songs in the Key of Life / キー・オブ・ライフ』をリリースする1976年までの約5年間、音楽シーンの中心にいたのは、まぎれもなくスティヴィー・ワンダーだと言えるだろう。

突出したメロディ・メーカーとして、またモーグ・シンセサイザーをはじめ、殆どの楽器を自分で演奏するマルチ・ミュージシャンとして、自作・自演、セルフ・プロデュースの名アルバムをスティーヴィー・ワンダーは連発する。



しかし・・・。

同じように、とんでもないメロディ・メーカーであり、優れたマルチ・ミュージシャンであるPaul McCartney / ポール・マッカートニーと同じウイークポイント(?)が、私にはそう感じられる、スティーヴィー・ワンダーにもある。

それは “言霊(ことだま)力” だ。

二人の音楽には素晴らしいメロディが満ち溢れているが、彼らの歌の後ろから “言霊(ことだま)” を感じることはない。

ポールと共に1960年代を席巻したJohn Lennon / ジョン・レノン、スティーヴィーの後、1970年代後半の音楽シーンを牽引したBob Marley / ボブ・マーリー、二人の歌の後ろから溢れ出る “言霊(ことだま)力” の何と強いこと!



こんな風に書いてしまうと、スティーヴィー・ワンダーが実につまらん、薄っぺらいミュージシャンのように感じられるかもしれないが、そんな事はありません。比べた二人が悪かったのかナ。

少し甘くてメロウなナンバーやロックっぽいファンク風味ナンバーがタップリ詰まった『Talking Book / トーキング・ブック』はスティーヴィー怒涛の快進撃の第一弾。

完璧なラブ・ソング《You Are the Sunshine of My Life / サンシャイン》、弾けるような快感グルーヴ満載の《Superstition / 迷信》の二曲を聴くだけで、スティーヴィーがどれ程の才能の持ち主かが判るだろう。

「天与の音楽資質に恵まれる」

スティーヴィーの神がかり的な作品群を前にすると、そんな人がいることを実感する。

And More...


Innervisions / インナーヴィジョンズ


Fulfillingness' First Finale / ファースト・フィナーレ


Songs in the Key of Life / キー・オブ・ライフ

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