2005年11月25日金曜日

スペインに住んでいた / 二筋の川


先日、パコ・デ・ルシアのCDを買った。

パコ・デ・ルシアはスペインが生んだ国宝級のギタリストだ。

フラメンコ・ギタリストとして出発したパコが1974年、マドリッドはテアトロ・レアル(王立劇場とでも訳すべきか)に出演した時のライブ・アルバムを買ったのだ。今から30年以上前のライブだ。

去年のGWに我が家にタイムドメイン社の “Yoshii 9” と “Mini” が届いてから、アコーステック系のCDを買う機会が増えた。タイムドメイン理論のスピーカーはアコーステック系の音に無類の強さを示す。まるで目の前で演 奏されているかのような臨場感と細部の再現力が凄い。

このアルバムでもライブの臨場感をたっぷり味わえる。

しかし残念ながら会場の雑音があまりにもひどい。例えば咳の音がやたらと入っている。前の席に座っていた客の中に、かなりひどい風邪を引いていた人がいるようだ。

それに後半、会場がいい雰囲気になってきたところで、Numero Uno ! (いちば~ん!)と大きな掛け声をかける無粋な奴がいる。いやはや70年代半ばといえば、スペインはある意味で未だ開発途上だったのだから仕方がないか・・・。



Silencio ! y Escucha bien !



若かりし頃のパコ・デ・ルシアがバリ・バリ・ベキ・ベキとアコースティック・ギターを弾きたおす。そして兄貴のラモン・デ・アルヘシラスのギターがさりげなくパコをサポートする。最後の曲、《Rumba》のあたりになると、もうノリノリだぁ~!

う~ん、たまらん! Cojonudo!

1075年10月、私がスペインのサラマンカで暮らし始めた頃、街中のバルのジュークボックスからはいつもパコ・デ・ルシアの《Entre Dos Aguas / 二筋の川》が流れていた。

バルで Vino Tinto(ヴィノ・ティント / 赤ワイン)を飲みながら、Aceitunas(アセイトゥーナス / オリーブ)をつまんでいた時、Boquerones Fritos( ボケロネス・フリートス / 小イワシのフライ)を食べていた時、パコ・デ・ルシアの《Entre Dos Aguas / 二筋の川》が後ろで流れていた。

Plaza Mayor(プラサ・マヨール / マヨール広場)の二階にあったCervantes、中央市場の前にあった La Covachuela、小さな通りにあった白ワインの美味しい El Candil。パコのギターはあの頃、毎晩飲みに通っていたバルを鮮明に思い出させてくれる。

そう、私は1975年の10月から1978年の末まで、スペインはサラマンカに住んでいたのだ。

今となれば遠い昔の事。スペインに住んでいた事自体がまるで嘘のようだ。


Paco De Lucia / パコ・デ・ルシア
En Vivo Desde El Teatro Real / パコ・デ・ルシア・ライブ


Paco De Lucia / パコ・デ・ルシア
Fuente Y Caudal / 二筋の川

update 2005/11

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