2001年7月5日木曜日
乗物で眠る
20年以上も東京に住んでいるスペイン人の友人がいる。
日本に住みはじめて、彼女が一番驚き、笑ったのは日本人が電車やパスで平然と寝ている事だった。
私も日本に帰ってきた直後、本当に日本人は車内で、サラリーマンも学生もOLのおねえちゃんも、よく寝るなぁ、感心した。
日本人ほど遠距離から時間をかけて電車で通勤・通学している国民はいないと思う。疲れて、寝るのも当然か、と思う。
しかし理由はそれだけでは無く、日本では車内は未だ安全なんだろう。あんなに寝ているとバックなんかすぐに盗まれそうだと思うが・・・。車内の盗みが少ないから平然と寝ていられるのだろう。
スペインでもフランスでも電車の中で寝ている人は殆どいない。寝てしまう程長時間電車に乗って通勤・通学しないのも理由の一つだが、やはり寝ている間に盗難に遭う可能性が高いからだ。平然と寝ているのはアル中ぐらい。 取られるモノは無いし、それに誰でも飲んだら眠くなる。
最初は驚き、笑っていたスペイン人の友人も、私も直ぐに日本に馴染み、平然と車内で寝るようになった。
安全は眠りにつながる
日本人が寝ているのは通勤電車だけではない。新幹線でも、旅行中の長距離列車の中でも日本人は寝ている。とりあえず乗物で寝るのは日本人の特技みたいなものだ。
これにはもう一つ、理由があると思う。
スペイン人やフランス人は長距離列車でも寝ない。
昔、アラン・ドロン主演の『リスボン特急』というフランス映画があった。
その列車はパリのアウステルリッツ駅を夜に出発し、ワインで有名なボルドーを通過し、バスク地方のフランス・ スペイン国境を越えて、私が住んでいたサラマンカを経由し、終点のポルトガルはリスボンへ向かう。
この列車に何度か乗ったことがある。当然長時間の旅だが、寝台車で寝ている時間を除いて、フランス人もスペイン人も列車の中で寝ることはあまり無い。老人がちょっとウトウトする程度だ。こんな長時間の列車の旅なら日本人は、老若男女、全員爆睡しているだろう。
フランスの国鉄SNCFでもスペインの国鉄RENFEEでも、日本と違い次の停車駅のアナウンスは無い。だから自分の乗っている列車が今どのあたりを走っているかを知っておく必要がある。それと、到着時間もかなりいい加減なので(遅れる場合が殆ど)、目的地には何時頃に着くか、自分で確認しておく必要がある。あっ、到着時間だ!と思って列車から飛び降りると、そこは一つ手前の駅だった、なんて事もありえる。
つまり、大人なんだから自分の行動ぐらい自分で管理せよ、という考えがある。それに生身の人間が運転しているんだから、少しぐらい時間に遅れる事もあるだろう、という大らかさがある。
子供は大人に頼りっきりだから道中寝ていても平気だ。それに子供は融通が利かないので予定どおりに 物事が進行しないと苛立つ。
ちなみにスペイン人もフランス人も日本人も、人類皆寝るのは飛行機の中ぐらいだろう。
機内は一種の密室だから、泥棒も盗んでから直ぐに下車(下機か?)してトンズラする訳にはいかない。
それに飛行機の場合、寝ていても乗り過ごす事は無い。
update 2001/07
ラベル:
雑感
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿