2004年7月10日土曜日

Queen / クイーン


Queen / 戦慄の王女
1973

クイーンはグラム・ロックを経た後のロックシーンを象徴するようなバンドだった。

このデビュー・アルバムはソリッドでタイトな音がカッコよく、当時はこれこそハード・ロックの進化形だ!と思った。

うねるようなブライアン・メイのギター・リフが螺旋状に錐揉み上昇し、そこへ少し苦みの効いたフレディ・マーキュリーのヴォーカルが重なる。一曲目の 《Keep Yourself Alive》からクイーンの世界にぐんぐん引き寄せられてしまう。そして二曲目のメロウな《Doing All Right》でほっと一息。このメリハリをつけた見事な構成力がクイーンの魅力ともいえる。

前半のホワイトサイドに対して、未来のロッ ク・スタイルがたっぷり詰まっているような後半のブラックサイドという二部構成の『Queen II』、そして三作目の『Sheer Heart Attack』あたりまでのクイーンは素晴らしかったが、同時に彼らの欠点(?)も目に付くようになってきた。

クイーンの音楽には “骨っぽさ” が無いのだ。色々な要素を上手にプレンドしているが、無脊髄・軟体動物のようなアメーバ音楽を増殖・垂れ流ししているだけなのだ。

だからこそロック界の7不思議の一つとでも言えそうな奇妙な曲 《Bohemian Rhapsody》なんかも平気で作れる訳だ。

最後は派手で大げさな見せ物バンドに堕落してしまったクイーン。

彼らは非常に高性能な演劇的娯楽バンドだった。

And More...


Queen II / クイーン II


Sheer Heart Attack / シアー・ハート・アタック

0 件のコメント:

コメントを投稿