2004年6月30日水曜日
Pink Floyd / ピンク・フロイド
Atom Heart Mother / 原子心母
1970
大体どんなバンドでも名刺代わりになるアルバムを作り、商業的成功を得るのは夢だ。
しかしだ、こんな事が許されていいのか?このアルバム『Atom Heart Mother / 原子心母』、そして『Meddle / おせっかい』、それに『Dark Side of The Moon / 狂気』をたて続けにリリースしたピンク・フロイドは凄い。これはバース、掛布、岡田の伝説的な甲子園バックスクリーン3連発と同じぐらい強烈なのだ。そしてピンク・フロイドは一躍世界的有名バンドとなる。
さて、本作はプログレッシヴ・ロックを確立した名盤といわれている。ロジャー・ウォータースが描く歌詞での表現部分ではそうかもしれない。だがサウンド面では今風(当時としては)の標題音楽ではないだろうか。
タイトル曲に漂うのはイギリス田園地帯の牧場から発散されるような草と土の匂いだ。それはプログレッシヴ・ロックが持たない物質的な世界の匂いなのだ。プログレはそんな物質的な匂いを消去し、形を持たない非物質的な精神世界の暗い部分を音にすることが特徴だが、ピンク・フロイドがこのアルバムに込めたものは、全く正反対のものだ。だからヒプノシスによるアルバム・ジャケットのデザイン・ワークはこの匂いの見事なビジュアル化なのだ。
またピンク・フロイドはこのアルバムではシンセサイザーを多用せず、彼ら独特の音響美学的なアプローチとサウンド・コラージュの手法が活用されている。このスタイルは『Dark Side of The Moon / 狂気』にて結実する。
こんな事を書くと、なんとなく難しそうだが、ジャケットの牛の写真をぼんやり眺めながら聴くのも良し。ちなみにこの牛の名前はルルベル3世らしい。
And More...
More / モア
Soundtrack from the film More
Ummagumma / ウマグマ
Meddle / おせっかい
The Dark Side Of The Moon / 狂気
Wish You Were Here / 炎~あなたがここにいてほしい
Animals / アニマルズ
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音楽
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