2004年9月10日金曜日

Lou Donaldson / ルー・ドナルドソン


Blues Walk / ブルース・ウォーク
1958

おっさん、おばはん。

大阪弁というか、関西の言葉には暖かさがある。

なんとなく親近感があり、オヤジやババアほど角が立つものではない。

当然ながら、おっさん、おばはんは相手に対して敬意を表する言葉ではない。

しかし妙な言い方だが、ちゃんとした立派な(?)アクセントでおっさん、おばはんと呼ばれた場合、そこには微量の尊敬の念が含まれている。それはその人物から滲み出るの人の良さがそうさせるのだ。

私にとってルー・ドナルドソンはブルーノートを代表する、いやジャズ界を代表する愛すべき “おっさん” なのだ。

ルー・ドナはチャーリー・パーカー系の本格派アルト奏者らしい。その片鱗はアート・ブレイキーと共演した超有名的名盤、『A Night At Birdland』で聴くことが出来る。しかしルー・ドナはそんな硬いだけのヤツではない。ルー・ドナの魅力はもっとルーズで、普段着的な演奏にたっぷり含まれている。



「あんまり難しいことは考えんと、気持ちよくスイングしたらエエやないか」

「楽しいノリが無かったら、ジャズかて面白いこと ないやんか」

「せやからちょっとソウルっぽい味付けにしたんや」

「コンゴ入れたから、リズム全体がゆったりして、気持ちエエやろ」

「ぶふぁ~っと早く吹くのだけがアルト・サックスの醍醐味とちゃうねんから」

「連れのハーマン・フォスターのピアノもちゃんと聴いたってな」

「ハーマン、ブルースっぽいエエ味出しとるねんから」



と、そんな感じでルー・ドナは『Blues Walk』を録音したのではないだろうか。そしてルー・ドナはこの路線を拡大し、1967年にはラテンとソウルの要素をミックスさせた『Alligator Boogaloo』の大ヒットを放つ。

おっさん、これはちょっとやり過ぎとちゃうか?

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