2004年8月30日月曜日
Herbie Hancock / ハービー・ハンコック
Speak Like A Child / スピーク・ライク・ア・チャイルド
1968
ハービーはピアノが上手い。
しかしハービーは決してピアノ・バカではない。
代表作をざっと思い出してみると、ハービーにはオーソドックスなピアノ・トリオ編成のアルバムが無いことに気がつく。ピアノを弾くことだけにそれ程執着していなからだろう。
ピ アニストである前に、ハービーは優秀なコンポーザーであり、アレンジャーなのだ。だからそんな視点でアルバムを選ぶと『Speak Like A Child / スピーク・ライク・ア・チャイルド』となる。名作『Maiden Voyage / 処女航海』やヘッドハンターズ期の作品も確かに捨てがたい。しかし一枚となると本作となる。
フリューゲルホーン、ベース・トロンボーン、アルト・フルートという通常あまり使わない管楽器をフロントにすえて、中低音の魅力ある世界を引き出しながら、それとトリオを対比させ、ピアノの叙情的な美しさを描き出す手法はお見事の一言だ。
《Riot》(暴動という意味だが・・・)から始まる静けさの中の繊細な構築美はハービーのコンポーザー・アレンジャーとしての力量を浮かび上がらせる。
逆光でとらえたハービーと彼女のキスシーンのジャケットも、その音楽同様にリリカルで美しい。
ニュアンスに富んだ中間色の淡い世界が堪能出来る傑作アルバムだ。
And More...
Empyrean Isles / エンピリアン・アイルズ
Maiden Voyage / 処女航海
Head Hunters / ヘッド・ハンターズ
Secrets / シークレッツ
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音楽
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