2004年8月30日月曜日
Gerry Mulligan / ジェリー・マリガン
Mulligan Meets Monk / マリガン・ミーツ・モンク
1957
プロレスでは対戦相手の技を受ける。
つまり相手の得意技を封印するのではなく、それを受ける。
相手を光らせて、なおかつ自分の得意技で相手を仕留めなければいい試合は成立しない。
さて、セロニアス・モンクだが、彼は共演者キラーなのだ。独特なピアノ・スタイルで相手の個性を消してしまうことが多いからだ。
そんなモンクでさえも殺せなかったのがウエスト・コーストの大スターでバリトン・サックスの名手、ジェリー・マリガンだ。そんな意味で、あえてモンク名義のアルバムだが、マリガンを代表するアルバムとして本作を選んだ。
二人がまるで競うようにスタートする《Round Midnight》、モンクの後ろからマリガンが仕掛ける《Straight, No Chaser》はどちらも素晴らしい出来だ。二曲ともモンクの名作だけにモンク色が強いが、マリガンだって負けてはいない。
では逆にマリガン作の曲ではどうだ? 《Decidedly》ではさすがのモンクも旗色が悪い。マリガン手強し、だ。
緊張感の漂うソロのやりとりは、まるで関節技の攻防戦。当時のモンクは作曲家・ピアニストとしての最盛期を迎えていた頃で、そんな選手、いやアーティストを相手に一歩も引かないマリガンはさすがだ。
それにしても二人の抑制の効いたクールな自己主張は凄いなぁ。
And More...
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Jeru / Jeru
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音楽
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