2004年5月10日月曜日
Chicago / シカゴ
Chicago / シカゴと23の誓い
1970
シカゴはデビュー時から新人離れしていた。
1969年のデビューアルバム『シカゴの軌跡』、二作目の『シカゴと23の誓い』、そして三作目の『シカゴ III』まで、シカゴがリリースしたアルバムは全てが二枚組だった。新人にこんな無茶をさせたレーベルもえらいが、新人のくせに立派な二枚組を作れるシカゴもえらい。
ついでに書いておくが、四作目の『シカゴ・アット・カーネギー・ホール』は、な、なんと四枚組のレコードだった。
さて、ブラス・ロックの雄、創造を生む最高の共同体、シカゴのベストは二作目の『シカゴと23の誓い』だ。デビュー作『シカゴの軌跡』も素晴らしいが、サウンドが更にこなれた本作を選ぼう。
『シカゴと23の誓い』のライナーノーツにはシカゴからの声明が記されている。
"With this album, we dedicate ourselves, our futures and our energies to the people of the revolution... And the revolution in all of its forms."
そう、『シカゴと23の誓い』はすべての形における革命に従事する人々に捧げられたのだ。この手のメッセージ、う~ん、時代を感じるなぁ。
まぁ、 そんな難しい話とは関係無しにして、『シカゴと23の誓い』では濃度・密度の高いアメリカン・リベラリズム風ロックが十分満喫できる。一曲目の 《Movin' In》から23曲目の《Where Do We Go From Here》まで、あの時代の精神が満ち溢れているのだ。
私が初めて『シカゴと23の誓い』を聴いたのは中学3年生の秋。同じクラスのF川さんが貸してくれた。当時このアルバムに収録されている《25 or 6 to 4 / 長い夜》がヒットしていた。
夕食後、自室に戻りレコードにそっと針を下ろした。二枚組という大作にもかかわらず、一気に全23曲を聴き終えてしまった。その後の充実した感覚は今もって忘れられない。それは素晴らしい本を読み終えた後に味わう、胸が熱くなるような高揚感だった。
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その後シカゴはアダルト・オリエンテッド・ロックに堕落(?)してしまうが、このアルバムでも曲作りのセンスの良さは随所に見られる。
And More...
Chicago Transit Authority / シカゴの軌跡
Chicago III / シカゴ III
Chicago At Carnegie Hall / シカゴ・アット・カーネギー・ホール
Chicago V / シカゴ V
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音楽
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