2004年4月30日金曜日

Beatles, the / ザ・ビートルズ


Revolver / リボルバー
1966

そりゃ『Abbey Road』、『Sgt. Pepper's ~』、『The Beatles / ホワイト・アルバム』等、ビートルズなら好きなアルバムはいくらでもある。

しかしあえて『Revolver』を選らんだ理由は、この頃からビートルズはアルバム単位での表現を考えるようになり、アルバム制作におけるコンセプトの重要性に目覚めたからだ。

それはジャケットのデザインにも反映される。4人の顔のイラストと写真をコラージュ風に処理したクラウス・ブーアマンのアートワークは素晴らしいの一言。

ついでに書いておくと、アルバム最後の曲《Tomorrow Never Knows》はエンディングの曲としては最高の出来だ。

ビー トルズは内省的なアルバム『Rubber Soul』を経て、本作『Revolver』から自意識の拡張へと突き進む。それまで固形化されていた五感は液状化し、それは身体から、部屋から水平に溢れ出す。ビートルズはこのアルバムから別の世界へ移行する。『Revolver 』はそんな転換期の傑作アルバムなのだ。

また 『Revolver』はジョンとポールの才能が拮抗していた頃に作られた最後のアルバムでもある。ポールはこの時期に己の音楽的才能を見事に開花させる。それまではジョンが全ての意味でバンド・リーダー的な存在だった。しかしこのアルバム以降、ポール色がビートルズの音楽の中で次第に強くなる。



『Sgt. Pepper's ~』でビートルズの自意識は一挙に炸裂し、それは『The Beatles / ホワイト・アルバム』で四方八方へと飛び散る。そしてバンド内の人間関係も音楽方向もバラバラとなり、『Let It Be』は収録されたものの、収拾がつかず、結局フィル・スペクターが最終アレンジを施し、とりあえず最後のアルバムとしてリリースされた。

そんな訳で、『Let It Be』がりリースされたのは名作『Abbey Road 』の後だが、本当の意味でビートルズ最後のアルバムは『Abbey Road 』だ。前作『Let It Be』の汚名挽回か、それとも最後にビートルズとしての意地を見せたかったのか、『Abbey Road 』は恐ろしいまでの完成度と美しさを誇るアルバムとなった。まさにこれぞビートルズ版の白鳥の歌だ。

そしてグループは終焉を迎えることになる。

And More...


A Hard Day's Night / ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!


Help ! / 4人はアイドル


Rubber Soul / ラバー・ソウル


Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band /
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド


Magical Mystery Tour / マジカル・ミステリー・ツアー


The Beatles / ザ・ビートルズ


Abbey Road / アビイ・ロード

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