2004年8月20日金曜日
Art Ensemble of Chicago / アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
Full Force / フル・フォース
1980
68年に結成されたアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(以下AEC)は従来のジャズにとらわれず、アフリカン・ミュージック、ブルースなどあらゆるブラッ ク・ミュージックの要素をごった煮にしたような音楽が魅力だ。
シカゴのAACM(創造的音楽家のための協会)から生まれたグループで、5人のメンバー全員が打楽器 / パーカッションも担当し、いろいろな楽器を操る。
この全員が打楽器 / パーカッションを担当するというところがどうもAECを聴く上での重要なポイントのようだ。
物と物をぶつけ合う打楽器 / パーカッションから生まれる音楽は、人間が作り出した最古の音楽なのかもしれない。
打楽器 / パーカッションによるランダムな音の並列からAECの音楽は生まれる。
そしてランダムな無数の音のカオスが少しずつ整理され、秩序だったものになり、音楽となる。しかしその音楽も、ある時はぐしゃぐしに崩れたり、一定のリズムを刻んだりと常に変化する。
AECが提示するのは、ある種の進化論的な音楽みたいなものに思える。
4人のメンバーは、まるでアフリカ大陸奥地の原住民のように、顔にペイントを施し、民族衣装を身にまとっている。
だがメンバーの中で1人だけ場違いな白衣を着ている男がいる。彼こそがAECの頭脳であるレスター・ボウイだ。彼にとって音楽とは科学であり、彼の役割はプリミティブな姿の他の4人が放つ音に秩序と進化を与えることなのだ。
『Full Force』でも色々な打楽器 / パーカッションが巧みに演奏され、AECが描き出すプリミティブな世界からの進化論的音楽が堪能できる。
お気に入りの曲は《Charlie M》。これはどう考えてもチャーリー・ミンガスへ捧げられた曲だろう。レスター・ボウイの輝きのある、分厚いトランペットのサウンドはたまらん。
And More...
Nice Guys / ナイス・ガイズ
Urban Bushmen / アーバン・ブッシュメン
The Third Decade / サード・ディケード
ラベル:
音楽
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