2004年4月30日金曜日

Al Kooper / アル・クーパー


I Stand Alone / アイ・スタンド・アローン
1969

アル・クーパーは偉人であり、才人であり、変人でもある。

ブルース・プロジェクトに参加したり、ブラス・ロックの雄、ブラッド・スウェット&ティアーズを結成したり、サンフランシスコのフィルモア・オーディトリウムでのセッションを企画したり、はたまたボブ・ディランやローリング・ストーンズのアルバムでオルガンを弾いたり、当時のアル・クーパーは色々なシーンに顔を出していた。そんなマルチ才能溢れる男のファースト・アルバムがこれで、多種多様な音楽エキスが異種交合されている。

アル・クーパーは音楽をオモチャにし、音楽とじゃれている。

自分の吸収した音楽を使ってみたくて、試してみたくて仕方がないのだろう。だからちょっとシニカルなニューヨーカー風に気取ってみても、アルの創りだす音楽の底には悪戯を仕掛けて喜んでいる子供の無邪気さがある。そのあたりに敏感に反応する人は、ほとんど一目惚れ状態で、アルの音楽が好きになる。

アル・クーパー最初のソロ・アルバム『I Stand Alone / アイ・スタンド・アローン』はブラッド・スウェット&ティアーズの『子供は人類の父である』の延長線上にある作品だ。アルは優れた曲を書き、スマートなオルガンを弾く人だが、どのアルバムでもコンポーザー・プレイヤーとしてよりも、アレンジャー・プランナーとしての才能が全面に出ている。それがアルの長所であり、短所でもあるのだが・・・。

ジャケットで自由の女神に扮したアル・クーパーは当時CBSレコードのロック・キャン ペーンのシンボルだった。



ちょっとインテリ・ヤクザ風のアル・クーパーが一番輝いていた時代は60年代後半から70年代初頭まで。それはブルース・ロックやスーパー・セッション風の音作りが盛んだった時期でもある。それはアルの指向と時代の傾向が交差していた頃だ。

その後アルは『Easy Does It / イージー・ダズ・イット 』、『New York City (You're a Woman) / 紐育市 (お前は女さ)』、『Naked Songs / 赤心の歌』など、優れたソロ・アルバムをリリースするが、徐々にシーンからフェイド・アウトしてしまう。

そんなアルがシーンに復活するのは “サウンド・オブ・サウス・レコード” を興し、レナード・スキナードを売り出した頃。しかしそれはミュージシャンとしてではなく、あくまでも裏方のプロデューサー的な仕事だった。

And More...


Blood Sweat & Tears / ブラッド・スウェット&ティアーズ
Child Is Father To The Man / 子供は人類の父である


Super Sessions / スーパー・セッション


Live Adventures of Mike Bloomfield & Al Kooper /
フィルモアの奇蹟


Kooper Session / クーパー・セッション


You Never Know Who Your Friends Are / 孤独な世界


Easy Does It / イージー・ダズ・イット


New York City (You're a Woman) / 紐育市 (お前は女さ)


Naked Songs / 赤心の歌

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